あしたは夏至まつりという日。リーサは、森のはずれの小さな家にひとりおるすばん。戸口の階段に座ってながめる庭の花たちは、何かもの言いたげにみえます。リーサが話しかけてみると、夏至の精が現れて、リーサのまぶたに花のしずくをたらしました。すると、花たちが生き生きと動き出したのです!さあ、花まつりの始まりです。
こおろぎやハチたちが音楽をかなで、様々な花が列をなして集まってきます。くさはらや森に畑、池や沼そして家の中の鉢植えから。雑草もちゃんと席をもらいました。やがて歌い出す鳥たち。まるでミュージカルの世界です。さいごは、かえるの子守唄で、みんな眠りについたのでした。
北欧スウェーデンの夏至まつりは、私たちにとっての春を迎える喜びに重なります。たくさんの草花や野菜、雑草の特徴をとらえ擬人化した挿絵の美しいこと。実生活ではやっかいに感じる雑草たちの、たくましい生命力が好ましくさえ思えます。 (は)