児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

2023-01-01から1年間の記事一覧

レモンをお金にかえる法

新装版 レモンをお金にかえる法 作者:ルイズ・アームストロング 河出書房新社 Amazon 子どもにわかりやすいたとえを使って、経済学の用語と理論そして経済学のしくみを「正確に教え」るという絵本。 レモンに水と砂糖を加えてレモネードをつくり60円で売った…

こども行動経済学

こども行動経済学 なぜ行動経済学が必要なのかがわかる本 作者:バウンド カンゼン Amazon 経済学的に正しい選択とは何かを示し、人々がしばしば誤ってしまう選択のクセを明らかにする行動経済学。子どものうちからそれを学ぶことで、自分の人生や社会をより…

歯みがきつくって億万長者

歯みがきつくって億万長者―やさしくわかる経済の話 (チア・ブックス) 作者:ジーン メリル 偕成社 Amazon ある日12歳のルーファスは気がついた。ドラッグストアの歯みがきが高すぎる!自分ならもっと安く作れる! 試しに作ってみると、1本分の値段で40本でき…

起業家フェリックスは12歳

起業家フェリックスは12歳 作者:アンドリュー・ノリス あすなろ書房 Amazon フェリックスは、6歳の頃からさまざまなビジネスに挑戦してきた。中でも今回のアイディアは、本当にあたる気がする。幼なじみのモーが作ったオリジナルのバースデーカードを売るの…

ふたりはバレリーナ

ふたりはバレリーナ 作者:バーバラ・マクリントック ほるぷ出版 Amazon バレエの大好きな女の子エマと、バレリーナのジュリア。会ったことのない2人のいちにちが、見開きに同時進行で描かれます。 朝起きて、それぞれ同じようにバレエのレッスンへ。やがて…

すなはまのバレリーナ

すなはまのバレリーナ 作者:川島京子 のら書店 Amazon 日本にバレエを伝えたロシア人バレリーナ、エリアナ・パヴロバの功績を伝える絵本。 ロシア革命のふるさとを逃れ、1919年日本へ亡命してきたエリアナは、鎌倉に日本初のバレエ学校を開いた。全国から生…

いろのダンス

いろのダンス 作者:アン ジョナス 福武書店 Amazon 赤、黄、青の大きな布をひらめかせながら、子どもたちがダンスのレッスン。布が重なると別の色が生まれます。赤と黄が重なってだいだい色、黄と青でみどりいろ、白が重なればどの色もうすくなる。 『光の旅…

バレエをおどりたかった馬

バレエをおどりたかった馬 (世界傑作童話シリーズ) 作者:ハーラル ストルテンベルグ 株式会社 福音館書店 Amazon ある日、旅のバレエ団に出会ったいなかの馬が、自分もバレエダンサーになる!と決心。仲間のぶた、めんどり、ひつじとわかれて町へ出ます。 お…

アンジェリーナはバレリーナ

アンジェリーナは バレリーナ (講談社の翻訳絵本) 作者:キャサリン ホラバード 講談社 Amazon アンジェリーナはねずみの女の子。バレエが大好きすぎて、夢でも踊っているくらいです。でも、おかげで周りが困ることも。うちのテーブルに並べたミルクやパイを…

バレエ団のねこ ピンキー

バレエ団のねこ ピンキー 作者:ノエル・ストレトフィールド のら書店 Amazon ねこのピンキーは、ネズミとり係としてバレエ団にやとわれています。でも実はネズミが怖くて、ちっとも捕まえられません。バレエが大好きなピンキーは、いつ辞めさせられるか不安…

アイスクリームが溶けてしまう前に(家族のハローウィンのための連作)

アイスクリームが溶けてしまう前に (家族のハロウィーンのための連作) (福音館の単行本) 作者:小沢健二と日米恐怖学会 株式会社 福音館書店 Amazon アメリカでのお菓子をねだるハロウィーンの起源が、実は世界恐慌で社会が荒れていた時に、子どもも荒れて破…

ベアトリスの予言

ベアトリスの予言 作者:ケイト・ディカミロ 評論社 Amazon 厚さはあるが、読みやすいので本好きな子なら小学校高学年くらいで読みそう。名前以外の記憶を失った少女ベアトリスは修道院のヤギ小屋で倒れていた。ヤギのアンスウェリカは、強情で性悪だが、この…

あくまくん

あくまくん 作者:ハイケ・ホールバイン,ヴォルフガング・ホールバイン,カロリーネ・ケーア,酒寄 進一,Heike Hohlbein,Wolfgang Hohlbein 徳間書店 Amazon ユスティンの友だちは、ちょっと変わっている。悪魔のあくまくんだ! 見かけは人間とは違うけど、仲良…

インクレディブル・ホテル

インクレディブルホテル 作者:ケイト・デイヴィス BL出版 Amazon ステファンは、インクレディブルホテルの見習い。いつかお菓子作りをしたいと夢見てるけど雑用ばかり。家では、ずっと練習しているのに、何もやらせてもらえません。ホテル100周年のパーテ…

スーパー・ノヴァ

スーパー・ノヴァ 作者:ニコール・パンティルイーキス あすなろ書房 Amazon ノヴァは言葉がうまく話せないし、過敏でコミュニケーションがうまく取れない。まわりは、ノヴァは知能が遅れていて、言葉もわからないと思い込んでいる。わかってくれたのは姉さん…

ブックキャット ネコのないしょの仕事!

ブックキャット ネコのないしょの仕事! 作者:ポリー・フェイバー 徳間書店 Amazon 1940年空襲のさなかのイギリスで生れたネコのモーガンは、その後、お母さんと妹のメーブを空襲で亡くします。その後、偶然入った出版社で住み込みのネコになりました。そし…

美しき野生 ブック・オブ・ダスト2

ブック・オブ・ダストI 美しき野生(下) (新潮文庫) 作者:フィリップ・プルマン 新潮社 Amazon 突然の大雨による洪水の中、ライラをさらうために修道院が襲撃される。マルコムは、鱒亭と修道院の手伝いをしている勝気な少女アリスと共に、なんとかライラを救…

美しき野生 ブック・オブ・ダストⅠ

ブック・オブ・ダストI 美しき野生(上) (新潮文庫) 作者:フィリップ・プルマン 新潮社 Amazon ライラの冒険シリーズの前日談。マルコムはパブ兼旅館の鱒亭の息子で11歳。「美しき野生」号というカヌーを持っている。好奇心が強く、頭の回転もいい。家の仕事…

そんなのうそだ!

そんなのうそだ! 作者:ジーン・メリル,坂口 友佳子 岩波書店 Amazon 『歯みがきつくって億万長者』の作者によるゆかいな幼年物。大人が読んでも、あっと驚く楽しい作品だが、読み聞かせをしてあげれば4~5歳から十分楽しめる。なまけもののサルとブタとキ…

世界の教科書でよむ〈宗教〉

世界の教科書でよむ〈宗教〉 (ちくまプリマー新書) 作者:藤原 聖子 筑摩書房 Amazon 世界の教科書では各宗教をどのように記述しているかを紹介しているのだが、それは、まさにそれぞれの国が、宗教に対しどのような対応を取ろうとしているかを示したものにな…

いちばんたいせつなもの バルカンの昔話

いちばんたいせつなもの (世界傑作童話シリーズ) 福音館書店 Amazon 読んであげれば低学年でも楽しめる。「三人の男とらくだの卵」は、ちょっとのんきでぼんやりした3人男の物語だが。そのおバカ加減がなんだか楽しい。「水の精と男の子」は、さらった男の…

6カ国転校生 ナージャの発見

6ヵ国転校生 ナージャの発見 作者:キリーロバ・ナージャ 集英社インターナショナル Amazon 生れは旧ソ連時代のロシア。ロシア⇒日本⇒イギリス⇒フランス⇒日本⇒アメリカ⇒日本⇒カナダ⇒日本と、6歳から15歳までの間に頻繁な転校を繰り返し、現地校で学ぶ経験をし…

ネネット こころのなかにとりのつばさをもつおんなのこ

ネネット こころのなかにとりのつばさをもつおんなのこ 作者:アレクサンドラ・ガリバル アンドエト Amazon 主人公のネネットは自閉症で自分の世界にこもっている。同じクラスのノウは、当初隣の席に割り当てられて不満だが、ネネットが小さな折り紙の船を通…

みずうみ シュトルム ショートセレクション

シュトルム ショートセレクション みずうみ (世界ショートセレクション) 作者:シュトルム,テオドール 理論社 Amazon 失った若い日のたった一度の愛を描く「みずうみ」、昔話風の「雨の精トールデ」、リンゴを盗ろうとした少年をめぐる「リンゴが熟したとき」…

女子読みのススメ

女子読みのススメ (岩波ジュニア新書) 作者:貴戸 理恵 岩波書店 Amazon いわば、女の子向けブックガイドだが、女の子にはこういう本がお勧めよというより、さまざまな場面でのロールモデルが出てくる作品を紹介している。取り上げてある本は、ほぼ一般書で日…

ぼくらのサブウェイ・ベイビー

ぼくらのサブウェイ・ベイビー 作者:ピーター・マキューリオ サウザンブックス社 Amazon ダニーは、地下鉄に乗って家に帰る途中、小さな包みを見つける。それは布でくるまれた赤ん坊! すぐに警察に電話し、パートナーのピートにも電話をした。二人は赤ん坊…

つきよのさんぽ

こどものとも 2006年 10月号 [雑誌] 福音館書店 Amazon 満月の夜、おとうさんとぼくは散歩に出かけました。途中、かめやうさぎの親子にふたごのもぐら、かなぶんに出会います。 お月見するなら月の広場がいいと、お母さんうさぎに聞いて向かうと、広場の池に…

ドリトル先生月から帰る

ドリトル先生月から帰る (岩波少年文庫―ドリトル先生物語) 作者:ヒュー ロフティング 岩波書店 Amazon トミーが1人で地球に帰されてから1年。とうとう今夜こそ、という皆既月食の晩に、月に合図ののろしが上がります。 ほどなく、巨大イナゴに乗って、無事…

ドリトル先生月へゆく

ドリトル先生月へゆく (岩波少年文庫) 作者:ヒュー・ロフティング,井伏 鱒二 岩波書店 Amazon ”月からの使い”巨大ガの背に乗って、月へやってきたドリトル先生。同行したのは秘書役のトミーと、オウムのポリネシア、サルのチーチー。 しかし、月世界には生き…

おまつりをたのしんだおつきさま

メキシコのおはなし おまつりをたのしんだおつきさま 作者:マシュー・ゴラブ のら書店 Amazon ある晩お月さまは、星たちのうわさ話を耳にしました。人々が昼間、とてもきれいで楽しいお祭りをしていると。 うらやましく思ったお月さまは、夜の番人たちに頼ん…