児童研究書
子ども、本、祈り 作者:斉藤惇夫 教文館 Amazon 福音館書店の元編集者、児童文学作家で、現在キリスト教幼稚園の園長をしている著者の評論、エッセイ集。第1章を読み始めてまもなく、ごく最近わたし自身も心にとめた言葉が目に入りはっとしました。「耳をす…
児童図書館の先駆者たち――アメリカ・日本 (TCLブックレット 「こどもとしょかん」評論シリーズ) 作者:張替惠子,内藤直子,加藤節子 東京子ども図書館 Amazon 現在、公共図書館で当たり前に行われている児童サービス。年齢制限のない公開、児童書目録の編纂、…
石井桃子の日本昔話――『ふしぎなたいこ』と『おそばのくきはなぜあかい』 作者:杉山きく子,松岡享子,下澤いづみ,内藤直子,加藤節子,甲斐智子 「がんばれ!東京子ども図書館」の会 Amazon 石井桃子さん再話による昔話絵本2冊について、石井桃子の蔵書や著作、…
子どもと本 (岩波新書) 作者:松岡 享子 岩波書店 Amazon この度、文化功労者に選ばれた松岡享子さん。子どもと本に関わる人たち、親として仕事としてボランティアとして、ベテランでも初心者でも、また本にそれほど興味のない人も、子どもに関わるすべての人…
だるまちゃんの思い出 遊びの四季 ふるさとの伝承遊戯考 (文春文庫 か 72-2) 作者:かこ さとし 文藝春秋 Amazon 子どもの頃、全身全霊をかけて遊んだふるさと福井での思い出を、春夏秋冬に章立ててつづる。自然の草花や虫だけでなく、剪定された庭木の枝や自…
物語のものがたり 作者:梨木 香歩 岩波書店 Amazon 児童文学に関連する文章をまとめたものだが、前半を占める「『秘密の花園』ノート」は圧巻。『秘密の花園』の一つの読み方を提示しているがとても説得力がある。特に、物語の最後、メアリの存在感がコリン…
岩波少年文庫のあゆみ 1950-2020 (岩波少年文庫, 別冊2) 作者:若菜 晃子 岩波書店 Amazon 岩波少年文庫70年史だが、この本で初めて知ったのは前史「少国民のために」というシリーズが戦時中に発行されていたということだった。自然科学振興(戦争遂行のた…
つぎに読むの、どれにしよ? 作者:越高 綾乃 かもがわ出版 Amazon エッセイ的読書案内。紹介されるのは、パディントン、ピッピ、アントン、グリーン・ノウ、メアリー・ポピンズなど長く読み継がれている作品。子どもの頃から海外児童文学に親しみくり返し読ん…
ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話 作者:上橋 菜穂子,津田 篤太郎 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/10/30 メディア: 単行本 母親が癌に罹り、母の死をリアルに考える事態に直面した上橋氏と、偶然その母の治療に参与してもらうこととなった津…
子どもの本がつなぐ希望の世界: イェラ・レップマンの平和への願い 彩流社 Amazon 2014年に行われた日本国際児童図書評議会(JBBY)40周年の展示内容をベースに貴重な講演録や寄稿で構成。『子どもの本は世界の架け橋』でもやもやしていた部分が、本書ですっ…
子どもの本は世界の架け橋 作者:イェラ レップマン こぐま社 Amazon 第2次大戦直後、ユダヤ人のイェラ・レップマンは亡命先のイギリスからドイツに戻り、平和への願いから子どもの教育「子どもの本を通しての国際理解」に取り組んだ。”世界の子どもたちが「…
絵本画家 赤羽末吉 スーホの草原にかける虹 (福音館の単行本) 作者:赤羽 茂乃 株式会社 福音館書店 Amazon こんな伝記物語は初めてです。赤羽末吉の三男の妻である著者が築いた、「父」「母」(どちらも義の字をつけずに書かれている)にかわいがられ、心お…
まねが育むヒトの心 (岩波ジュニア新書) 作者:明和 政子 発売日: 2012/11/21 メディア: 新書 ヒトらしい心の発達について、サルやチンパンジーとの比較による「進化」のものさしに加え、ヒトとしての特徴、らしさはいつの時点から、どのように、なぜ、といっ…
“グリムおばさん”とよばれて―メルヒェンを語りつづけた日々 作者:シャルロッテ ルジュモン メディア: 単行本 ルジュモンさんは昔話を聞いて育ったのではなく、原典を覚えて「一字一句、忠実に語る」語り手です。1944~1960年、グリムを中心にまさに「語りつ…
昔話と子どもの空想 (TCLブックレット 「こどもとしょかん」評論シリーズ) 作者:小川捷之,松岡享子 発売日: 2021/02/03 メディア: 単行本 人格形成における空想の意味:小川捷之著 は、1980年発表のものだが、内面に何かを蓄える余裕がなくなり、そのコント…
子どもと遊び (1975年) (国民文庫―現代の教養) 作者:加古 里子 メディア: 文庫 第Ⅰ部に子どもの遊び文化を年齢と発達に沿って例示解説し、第Ⅱ部でそれらの遊びがいかに子どもの心身の健康的な発達を促すかという論拠を、脳の発達、自然・社会環境、ことばの…
完 子どもへのまなざし (福音館の単行本) 作者:佐々木 正美 発売日: 2011/01/20 メディア: 単行本 やさしく語りかけるように、私たちに子どもをどのように受け止めていけば良いのかを伝えてくれるシリーズ3冊目。特に、この巻では発達障害について詳しく扱…
ライトノベル☆めった斬り! 作者:大森 望,三村 美衣 発売日: 2004/12/07 メディア: 単行本 ラノベについて知りたいという初心者に勧めていいかというとちょっと躊躇する本。ラノベ度チャックポインとやラノベ年表、主なラノベ紹介があるので、初心者にはそち…
デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳 :「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる 作者:メアリアン・ウルフ 発売日: 2020/02/06 メディア: 単行本 私が勤め先で目にしている高校生の実態に答えをくれるような言葉が随所にあり、とても興味深く読みました…
「少女小説」ワンダーランド―明治から平成まで 発売日: 2008/07/01 メディア: 単行本 明治から平成までとして少女小説の変遷や、その時代ごとの需要と供給を解説している。女学校の成立で、小説を楽しめる購買層が生まれ、良妻賢母という国の方針に反し、娘…
いわずにおれない (be文庫) 作者:まど・みちお 発売日: 2005/12/16 メディア: 文庫 まどさん96歳当時のインタビューと会話に出てくる詩をまとめたもの。小さな命(アリ、ノミ、カ・・・)や無生物(ページ、つけもののおもし、ゆのみ・・・)そして宇宙へま…
先生が本なんだね 作者:伊藤明美 発売日: 2016/11/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) 著者は、実際に長年図書館でおはなしを語ってきた経験を元にしているだけに、説得力がありわかりやすい。具体的なプログラムの作り方や語るテキストについての紹介もあ…
子どもの本のもつ力:世界と出会える60冊 作者:清水 真砂子 出版社/メーカー: 大月書店 発売日: 2019/06/17 メディア: 単行本(ソフトカバー) 「かわいい」がとりこぼすものは?/ひとり居がもたらしてくれるもの/毎日は同じじゃない/「たのしい」だけで十分…
親愛なるブリードさま―強制収容された日系二世とアメリカ人図書館司書の物語 作者:ジョアンヌ オッペンハイム 発売日: 2008/06/01 メディア: 単行本 太平洋戦争中、敵国日本という「ふさわしくない祖先をもつ」として収容所生活を強いられた日系二世の子ども…
なつかしい本の記憶―岩波少年文庫の50年 (岩波少年文庫 (別冊)) 作者:岩波書店編集部 発売日: 2000/06/16 メディア: 単行本 1950年創刊の岩波少年文庫は、今年70周年を迎える。50周年記念刊行の本書は、①著名文化人きょうだいの対談(中川李枝子・山脇百合子…
石井桃子集〈7〉エッセイ集 〔付〕自筆年譜・著作リスト 作者:石井 桃子 発売日: 1999/03/10 メディア: 単行本 立派な箱に入って本棚に収まっていたこの本を久しぶりに読みました。かなりかしこまった装丁ですが、意外とソフトカバー版生活随筆シリーズ(河…
お話とともに育つ喜び おはなし通信 作者:いづみ, 下澤 発売日: 2018/06/28 メディア: 単行本 下澤いづみさんは1942年生まれ。名古屋を中心に複数のストーリーテリングの会で活動し、語り手養成の講師も務める。2005年5月から毎月12年間にわたり150号まで発…
小児科医が見つけたえほんエホン絵本 作者:「小児科医と絵本」の会 出版社/メーカー: 医歯薬出版 発売日: 2005/12/01 メディア: 単行本(ソフトカバー) 絵本好きな小児科医による「小児科医と絵本」の会が、待合室にテレビやビデオではなく絵本を、読み聞か…
お年寄りにもおはなしを! 高齢者のためのおはなし会読本 作者:山根 玲子 出版社/メーカー: 文芸社 発売日: 2019/12/01 メディア: 単行本(ソフトカバー) 東京子ども図書館で講師も務める著者は、長年にわたって高齢者向けおはなし会をおこなってきた。その…
絵本翻訳教室へようこそ 作者: 灰島かり 出版社/メーカー: 研究社 発売日: 2005/05/01 メディア: 単行本 クリック: 2回 この商品を含むブログ (5件) を見る 絵本翻訳のノウハウを、言葉の選び方から出版社持込みのコツに至るまで惜しみなく披露する本だが、…