- 作者: 小寺卓矢
- 出版社/メーカー: アリス館
- 発売日: 2012/04
- メディア: 大型本
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概要
写真絵本。
「ひろいひろいもりのなか うまれたばかりのきのめ ひとりぼっちなのかな?」
「ちがうよ いっしょだよ」
というような調子で、一緒にはえている木の芽だの、草だの、花だのの写真がずっと続く。
感想
自然写真として見れば、十分それだけでいいものを、なぜこのような詞書きが必要なのか、全く理解に苦しむ。と同時に、この本を課題図書たらしめているのがまさにそれ故にである、とすればいささかうんざりする。
「ひとりじゃないよ いっしょだよ」「みんな いっしょだよ」「どいつもこいつもいっしょだよ」というメッセージを、草木の写真なしで提示しただけなら、鼻持ちならぬ本だと言うことになるであろう。残念ながら、ここでは写真は、その押しつけがましいメッセージをカムフラージュする(それもかなり不十分な形で)ものでしかない。
この写真のもっと有効な活かし方はあったと思うと残念。
かんそう
くさや、はなや、きのこは、みんないっしょでえらいとおもいました。でも、きっと、はなや、きのこは、べつにじぶんがいっしょになりたくて、いっしょなわけじゃないとおもうし、もちろん、いっしょがいやだともおもっていないのに、にんげんはいっしょがいいような、いっしょでなければいけないようなきもちになってみるのは、きのことはなんのかんけいもないのだとおもう。きのこには、きのこなりのいっしょにいたいりゆうはあるのだろうけれど、このえほんではそんなことはすこしもわからないので、きのこはびっくりしているとおもう。いっしょにみえても、ほんとはみんなひとりひとりちがうとかいわれても、かぜもみずもいっしょだとかいわれても、なにがいっしょでなにがいっしょでないのかわからないです。
いっしょとひゃっかいいわれて、ちがうといっかいいわれたら、いっしょがいいにきまってるけど、ほんとにそうなのかはわからないなとおもいました。