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課題図書 はるかなるアフガニスタン

はるかなるアフガニスタン (講談社文学の扉)

はるかなるアフガニスタン (講談社文学の扉)

  • 作者: アンドリュー・クレメンツ,田中奈津子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/02/29
  • メディア: 単行本
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アビーは、頭は悪くないが、外遊びに夢中で成績が悪化。全ての教科の点数を向上させ、さらに外国の子と文通という特別課題をこななければ落第の危機に陥った。平原にすむアビーは、なにげなく山岳地帯アフガニスタンを選ぶ。手紙を受け取ったアフガニスタンでは、国の名誉のため、きちんとした英語をかける子に手紙を書ける子ということでサディードが候補にあがるが、男女で文通するわけにはいかないと、妹アミーラが受け、サディードが翻訳を手伝うことになった。だが、妹の口述筆記が物足りないサディードは、つい自分で書き足してしまう。そして、2度目の手紙で、実は妹ではなく自分が書いていることを打ち明ける。いやいや始めた手紙の思いがけない返信にのめりこむアビー。まったく異なる文化の存在にゆさぶられるが、アフガニスタンの国旗を「不愉快な言葉が書いてある」と撤去させられるアビーと、アメリカと文通をするなど許されないとタリバンに脅され、文通をあきらめるサディード。互いの国の偏見を超え、友情を育てる二人の姿に希望を感じる。2013.高学年課題図書