- 作者: J. R. R.トールキン,瀬田貞二
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/12/07
- メディア: 単行本
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読む子なら3~4年生からでも。読んであげるのもよい。
概要
言わずと知れた定番。ブックトークで使おうかという話しがあって、久々に読み返してみた。
昔々、ホビット一族のビルボ・バギンズ君が、のんびり食後のタバコを楽しんでいると、旧知の魔法使いガンダルフが訪ねてくる。これを皮切りにドワーフ小人が押しかけてきて、色々あったが結局小人たちの竜退治に、忍びのものとして付き合うことになる。一行は途中、次から次から襲い来るトロルだの、ゴブリンだの、大グモだのを切り抜けながら、最後は、見事竜の宝を手に入れる。
感想
筋立ては、言ってしまえばなんということはない。というよりも、他のあらゆる物語の源流なので、それだけとっても目新しさがあるわけもない。しかし、細部のよく練られていること。後々、指輪物語に繋がる大叙事詩のうち、どこまでがこの時点でトールキンの頭の中にあったのか、分からないけれど、まだ見ぬ歴史や蘊蓄や、神話がすべてのバックにあって、一つもハリボテがないというのは、すごいことだ。脇役の誰一人とっても、無駄という物がなく、曖昧なものもない。すべて目の前に見るようにそこにある。
今回手に取ったのはたまたま著者自身の挿絵によるオリジナル版。岩波の寺島さんの絵がすり込まれていると少し違和感があるが、逆にそれも新鮮。風景に関して言えば、トールキンはこういうものを見ていたのだ、と納得するところもある。