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サンドヒルのシカ スタッグ

サンドヒルのシカ スタッグ (シートン動物記)

サンドヒルのシカ スタッグ (シートン動物記)

明らかにシートンの姿を投影したヤンを主人公に、シカを追って森をかけた若い日を描いている。ネイティブアメリカンのチャスカから教えられた狩人心得、堂々たる野生鹿スタッグへの畏敬の念が綴られる。本の1/3くらいは解説。ちなみに、開拓生活をするヤンが驚くほどの長距離を歩いているのに、びっくりします。家から近いという場所が10キロ位離れてたりするのは、現代人には考えられない感覚です。

この物語は、ナチュラリストとして生きることを決意したシートンの最初の暮らしの原体験でもあるという。人間は、意外と変わらないもの(よきにつけ、悪しきにつけ)それなりに年齢を重ねてくると、そう感じます。シートンは、支配的な父親から逃げ出したということですが、この道しか生きられなかったのでしょうね。