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<天才>フレディと幽霊の旅

<天才フレディ>と幽霊の旅

<天才フレディ>と幽霊の旅

第二次世界大戦が終わった後、腹話術師になったフレディ。でも、唇が動いてしまい、評判は今一つだ。そんな彼に幽霊が取りついた。ナチに撃たれて死んだ男の子アヴロム。腹話術に協力する代わりに、自分を殺したナチの将校を見つけて欲しいという。もちろんフレディは拒否するが、アヴロムは、無理に取りついて、舞台でナチの将校を探していることをショーに紛らわしながらアピールした。フレディは腹をたてるが、口を全く動かさずに声を出す腹話術は大評判になる。ユダヤ人でいるつらさを徐々に理解するフレディ。そして、ついに将校を発見する。 幽霊に取りつかれるという形で、ユダヤ人の迫害を語らせる展開は魅力的。最初、将校を殺すつもりだったアヴロムが変わるところもいい。個人的に、シド・フライシュマンはわりと好きで、出た作品をチェックしている。子どもたちが、幽霊という言葉でひっかかり、楽しく読んで、ちょっと考えてくれたらうれしい。