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地をはう風のように

 

地をはう風のように (福音館創作童話シリーズ)

地をはう風のように (福音館創作童話シリーズ)

 

 

昭和30年代半ば、小学校6年生のコウゾウは母子家庭で、祖母・弟と暮らしている。本家には卑屈だが、小金を近所からくすねるさもしい祖母への怒りの中で、ひねて投げやりになりがちなコウゾウを支えるのはクラスメートの女の子や本家の跡取りだ。後藤竜二風の社会派作品だが、現代の子どもが読むとどうなのか? この貧困の中の屈折感は、かわいい女の子の親切で昇華するのか? むしろ現在初老の団塊の世代が読みそう。