
- 作者: マイケルモーパーゴ,マイケルフォアマン,Michael Morpurgo,Michael Foreman,杉田七重
- 出版社/メーカー: あかね書房
- 発売日: 2013/06
- メディア: 単行本
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厚い本ではないが、第2次世界大戦のイギリスでのドイツ捕虜というテーマは、中学生くらいからか。
お母さんが大切にしている古い木のおもちゃの犬リトル・マンフレートに秘められた物語。第二次世界大戦で愛国心に燃えて艦隊ビスマルクに乗船したドイツの青年マンフレートとヴァルター。だが、敵艦を撃沈した時、相手もまた自分たちのような青年たちであることに気づく、そして次の時には自分たちがやられ、イギリスの捕虜となった。戦後、農場での労働にふりわけられ、そこの女の子グレースとの友情を深める。だが、解放直前、地雷の除去中にマンフレートは爆死。グレースは2人からのプレゼントの犬に「マンフレート」の名をつける。国同士が対立しても、庶民は互いに友情をはぐくめる。加害者が、戦場で敵を倒して恐怖を(殺している相手も人間だと我にかえる)というようなシーンは、今まであまり書かれていなかったと思う。モーバーゴは、社会派といえるだろうが、それを越える抒情性が魅力。