分類は448。2類ではない。
著者のコレクションになるさまざまな地図を素材に、地図とはなにかを解き明かそうとする。
「地図とは、表現目的に応じた図式という絵の具を駆使して世界観を描きあげることである」そうなのである。
サハラ砂漠の真ん中の地図、とか、アメリカの州境が直線に交わる場所の地図、とか、埼玉県の中に取り残された東京都の飛び地、とか、軍事施設の消された戦時中の地図、とか、北朝鮮の存在しない韓国の地図、とか、添えられた図版はなかなか興味深いし、おもしろい。ただ、対象年齢は必然的にぐっと高くなるだろうし、読みやすい本とは言えない。
村上春樹の小説に、地図オタクが出てくる話があったなあ、と思い出した。ここにも一人。でも、人は何にひっかかってはまるかわからないからねえ。