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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

屋根にのぼって

 

屋根にのぼって

屋根にのぼって

 

 失業して仕事を探しにいったまま行方不明になった父。母は、イラストレータの仕事で、懸命に家計をささえるが、末っ子のベイビーの死ですべてが崩れる。ベイビーを失った苦しみに浸る母、口をきかなくなった妹。みかねた母の姉のおばのもとに、ウィラ・ジョーと小さな妹は引き取られる。秩序を愛する叔母と対立するジョー。悲しみの行き場がなく、屋根にのぼったジョーと妹の回想として物語は展開する。『花になったこどもたち』そっくり。親の不在と、かばいあう姉妹って、いかにもの題材? こちらの作品のほうが叔母の魅力が薄い。叔母の大人としての力に、それなりのパワーが必要。