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シャバヌ ハベリの窓辺にて

 

シャバヌ ハベリの窓辺にて (ポプラ・ウイング・ブックス)

シャバヌ ハベリの窓辺にて (ポプラ・ウイング・ブックス)

 

 前作より6年。娘ムムタズをさずかり、ラヒームからは愛されているシャバヌだが、他の妻からの嫌がらせに命の危険さえ感じることもある。だが、第一夫人の娘レイラの婚約者オマールとの恋。親友サボを知的障害のあるアーメドの政略結婚から救おうとする試み。残酷なサボの父ナジルによるラーヒム殺害と、激変する状況の中で、娘と自分の安全だけを優先し、懸命に生きる。自分の運命が夫次第であることを理解して、妻としての体の役目を果たす必要を自覚する、ジャハヌの姿は、本当に強い。こうやって耐えるのは弱いからではなく、強いんだなぁと思う。生き延びることを優先し、脱出するイスラムの女はスゴイ!