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洞窟で待っていた(21世紀空想科学小説)

 

洞窟で待っていた (21世紀空想科学小説 7)

洞窟で待っていた (21世紀空想科学小説 7)

 

 穴の探検が好きなコマキの夢は地質学者、土木少女アジマの夢は土木技師、「穴」という共通項で結ばれた二人は親友同士だ。6年生になったある日、イーダという転校生がやってくる。無愛想で友達を作ろうとしないイーダだが、穴に興味を持っている気配にひかれ、ふたりは懸命に接近する。やっと洞窟探検にきてくれたが、そこで出会ったのは、「依頼者」と名乗る謎の人物。人間とも言い難く、はるか昔から生きているという「依頼者」は、「ココダシ」が地表に近づき、大地震が起きそうである。それを止めるために3人の力を借りたいという。人柱として大切なものを埋める必要があるといい、3人は、ふさわしい縦穴を見つけ出し、ココダシを封じようとするが・・・。 微妙に未来っぽい異世界を舞台とした作品。イーダの離婚した両親などが、背景として思わせぶりには出るが、結末も、ココダシを依頼者が封じればいい、というイーダの指摘で解決するのが、意外な結末ではあるが、全体的にツメが甘い。