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シチリアの少年

ルイジ・カプアーナ作 清水三郎治訳 岩波書店 1992.1

1956年の復刻版。貧しさに耐えかねて母は失踪、父も死んで寄る辺ない身の上になったモンモは、子どもをなくした裕福な農家に拾われる。やせっぽっちなのでスクルピドゥ(やせっぽっちのひょろなが)とあだ名されて、かわいがられ成長する素朴な少年の姿を淡々と描いた作品。意外におもしろいのだが、スケッチ風で、結末がない(兵役についたで、さらっと終了)なので、子どもには不満では?