児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ピッグル・ウィッグルおばさんの農場

 

 

ピッグル・ウィッグルおばさんの農場 (岩波少年文庫)

ピッグル・ウィッグルおばさんの農場 (岩波少年文庫)

どんないたずら好きな子、嘘つきな子、乱暴者の子供でも、ピッグルおばさんの農場にいくと魔法のように、素直な子になる。困った親たちは、半信半疑でおばさんの農場に子供を連れて行くと…農場には、馬や牛やたくさんの動物たちと触れ合ったり、小さな仕事をまかせたり、おばさんの言葉によって、本来のゴチゴチに固められた子供たちの心は武装を緩やかに解いて行く。
 
登場するどの子供たちも、癖があって、たちの悪い事に身近な大人の前では素直なふりをする賢さもあって、読んでいて中々イライラさせられる。一番イラつくのはそんな子供たちにコロリと騙されてしまう大人たちの愚鈍さだったりもする。ダメな大人ばかりの中で、ピッグルおばさんのやり方は、とても本質をついている事も多く、子供たちはどこかで、こんなに嘘をついたり悪さをする自分を止めてほしいと思っていたかのように、きっかけを得たとばかりに従順になるのだ。
こうせざるおえなかった原因すらも自ら明確にする辺りは、少し説明的すぎるかな?という気がしなくもないが、それでもやっぱり面白い。