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なみだでくずれた万里の長城

なみだでくずれた万里の長城――中国の民話

なみだでくずれた万里の長城――中国の民話

孟と姜には子供がいなかったが、育てていた瓢箪の中から赤ん坊が生まれた。その子の名を二人の名から取り孟姜女と名付けた。
娘は美しく成長したが、ある日、過酷な労働の万里の長城の作業現場から逃げてきた若者を匿ううちに、夫婦になることになった。働き者の二人だったが、役人の追っ手が村まできて、夫を連れ去って行く。幾度も待てども帰らない夫を迎えに、孟姜女は万里の長城まで夫を迎えに行くことにしたが…。
絵は、『花仙人』の絵本を描いた方で、構図も色も美しく、登場人物の表情などとても情感がありしなやか。最後は悲しい結末に終わるものの、万里の長城の迫力は、見開きのページに大胆に描かれ圧倒させられる。