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劇団6年2組

 

劇団6年2組 (ティーンズ文学館)

劇団6年2組 (ティーンズ文学館)

 

 立樹は、学校で見た劇『それからのシンデレラ』に感激して、自分たちの卒業発表も劇をやりたいと考える。クラスのみんなも賛成してくれるが、慶司だけは批判的。決めたはいいが、どうしていいかわからず劇団に相談に行き、やっとのことで『シンデレラ』を上演することにするが、だれも継母などイジワルな役をやりたがらない。次々に発生するトラブルと向き合う中で、立樹は、慶司がかつて有名な子役だったことを知り、彼に助けを求める。やっているうちに、継母は、なぜこんなにイジワルなんだ? と悩み、『リアルシンデレラ』が誕生。そして本番、せっかく順調に進んでいたのに、ダンスパーティーの音楽がでないというトラブルが!! 劇をやりたいと思いつつ、どうしていいかわからないメンバーが少しずつ進歩していく様子が無理なく描かれている。多少の都合のよさはあるが、5年生が「ぼくたちもお芝居をやりたい」と相談に来るラストも、最初のシーンと呼応していい。