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ルイジアナの青い空

 

ルイジアナの青い空

ルイジアナの青い空

 

 タイガーの両親は〈ゆっくり(スロー)〉だ。母さんはいつも子どものようだし、父さんも字を読むのも苦手で万事ゆっくりとしか仕事ができない。だが、二人は愛し合っていて仲がいいし、父さんの仕事は、いつもきちんとしている。タイガーの支えは、おばあちゃん。何もかもわかって、タイガーを支えてくれる。隣家のトンプソンの家のジェス・ウェイドは幼馴染の親友だ。だけど。タイガーにも悩みがある。すてきなフレイアスカートをはいているアビー・リンにあこがれているが、その女の子グループになかなか入れない。友達のつもりだったジェスのキス。それなりに安定していた暮らしは、おばあちゃんの死の後激変した。都会に住んでいるあこがれのドリー・ケイおばさんが引き取ろうといってくれ、タイガーは揺れる。だが、自宅に戻った時に突然の嵐に遭遇。嵐を予見して冷静に対応した父さん。ひたすらにタイガーを心配して探しに飛び出した母さんを見て、自分の居場所はここだと確信する。こうなるだろう、という結末だが、おばあちゃんがいるならともかく、タイガーに両親に対する責任を負わせていいの?(たとえばトンプソンさんが後見人になるとか)という気がした。両親とも立派ではあるが、社会に対応していく能力は明らかにハンディがある。たとえばタイガーが進学のため地元を離れたくなることだってありそうだし・・・。いいのかタイガー?