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迷宮ヶ丘一丁目

 

一丁目 窓辺の少年 (迷宮ヶ丘)

一丁目 窓辺の少年 (迷宮ヶ丘)

しんしんと怖い話が集まった短編集。主人公は、思春期真っ盛りの中学生がメイン。今の現実を生きずらいと感じる登場人物たちが、ちょっとした魔の空間を覗いてしまうと言ったパターンが多く、結末的には曖昧なものが多いので、読解力がない子が読んだら、この静かな不気味さを味わえるのかどうかはわからない。
「はざま野の図書館」も、死の象徴のように扱いつつも、若干直接的ではないため、ゾワワ感は薄い。川島誠の「電話がなっている」ほどのトラウマ感を生み出すパンチのきいた短編はないのが残念。