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パンとバラ ローザとジェイクの物語

 

パンとバラ: ローザとジェイクの物語

パンとバラ: ローザとジェイクの物語

 

 1912年にアメリカ東部の町ローレンスで起こったイタリア人移民労働者たちのストライキという事実をもとにした物語。優等生のローザは、工場に勤める母と姉がストライキをしたことにおびえる。一方、飲んだくれの父のもと工場で働くジェイクは、お祭り騒ぎにも感じるが、父の死で動揺。子供たちの安全確保のプロジェクトにまぎれ、ローザの弟に化けてバーモンド州ベリーの町に行く。保守的で、ストに反対しながら、最後には、貧しい生徒のために食事を持ってくる先生など、あまりの工場のやり口に、世論が味方に付き、最終的に勝利する。パンが欲しいが、バラも求めていると訴え、女性が粘り強く戦ったことによる勝利というテーマが面白い。ただ、タイトルから内容が想像しにくいかも。