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八月の暑さの中で ホラー短編集

 

八月の暑さのなかで――ホラー短編集 (岩波少年文庫)

八月の暑さのなかで――ホラー短編集 (岩波少年文庫)

 

 

こまっちゃった:エドガー・アラン・ポー原作(金原瑞人翻案) /八月の暑さのなかで:W.F.ハーヴィー著 /開け放たれた窓:サキ著 /ブライトンへいく途中で:リチャード・ミドルトン著 /谷の幽霊:ロード・ダンセイニ著 /顔:レノックス・ロビンスン著 /もどってきたソフィ・メイソン:E.M.デラフィールド著 /後ろから声が:フレドリック・ブラウン著 /ポドロ島:L.P.ハートリー著 /十三階:フランク・グルーバー著 /お願い:ロアルド・ダール著 /だれかが呼んだ:ジェイムズ・レイヴァー著 /ハリー:ローズマリー・ティンパリ著

全体的にウィットに富んだホラー。「こまっちゃった」は、自由な雰囲気で訳したとのことだが、ちょっとスプラッターかと思わせて、最後はバッチリ落として、なかなか楽しかった。ちなみに「開け放たれた窓」は恩田陸の「チョコレートコスモス」 

チョコレートコスモス

チョコレートコスモス

 

 の中で、「ガラスの仮面」ばりのストーリーの中の演技のテストの題材として出てくる。ダールについては、児童文学者だが、あえて一般向けの短編から選んでいるところが、この短編集のヤングアダルト狙いの証でしょうか? 8月にどうぞ