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ライラエル=氷の迷宮

 

ライラエル―氷の迷宮 (古王国記)

ライラエル―氷の迷宮 (古王国記)

 

 

先視の力を持つクレア族の娘でありながら、ライラエルにはその力が目覚めない。父が誰かもわからない。しかし、図書館の助手の仕事を得てチャーター魔術にみがきをかけ、“不評の犬”を目覚めさせる。犬に助けられ、地下道に“ライラエルの道”を発見。「闇の鏡」を得て、過去を見る特異な力を得る。一方サブリエルとチャーターストーンの息子サムは、次期アブホーセンを期待されつつ、自分にその能力がないことに悩んでいた。サムを訪ねようとしてネクロマンサー(悪霊遣い)ヘッジの虜となった、古王国を理解していない旧友ニックの救出に向かう途中、同じ目的でクレアから送り出されたサブリエルと出会う。サブリエルがついに知った出生の秘密は、彼女を次期アブホーセンとするものだった。古王国記シリーズ2巻目。自分だけが違うという不安におびえるライラエル。1巻目のなまいきな猫モファットに対し、知的で威厳のある“不評の犬”の登場など3巻目に向けて期待させる。