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アンジェリーナおねえさんになる

 

アンジェリーナおねえさんになる 講談社の翻訳絵本

アンジェリーナおねえさんになる 講談社の翻訳絵本

 

 上の娘が、今日も弟によみきかせをしてやっていたのだが、読みながら感極まって泣いている。

 

ネズミの女の子アンジェリーナに弟がうまれることになる。

バレエ教室の熱心な生徒であるアンジェリーナは、皆勤賞に人形をもらうが、家では弟の出産に大わらわで、誰もそれに気づいてくれない。弟がうまれた喜びは失望に変わり、両親も祖父母も弟にかかりきりで、アンジェリーナの心の中の寂しさは増すばかり。とうとう爆発したアンジェリーナは部屋をめちゃくちゃにし、人形も壊してしまう。ここに至ってようやく家族はアンジェリーナの心を理解し、なぐさめてくれた。壊した人形は修理され、弟のためにアンジェリーナはダンスを踊るのでした。

 

バレエを学ぶアンジェリーナのシリーズの一冊。

正直、絵もストーリーもやや中途半端な気がしないでもないのだが、子どもの心をこれだけとらえるのには理由があるのだろう。なんだかねえ、ねずみが妙にリアルで。よみきかせをするにもやや長いですし。

姉・弟ものはよく問い合わせもあり、実際いくつかあるが、姉がここまで感情を爆発させ、破壊活動に出るのはめずらしい。もっと良い子でじわっと涙が、みたいなところでとどまることも多い。でも、実際このくらいやりたいのだろうな、と一応理解してみる。お姉ちゃんは難しい。