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サリーの帰る家

 

サリーの帰る家

サリーの帰る家

 

 アイルランドのビスト最優秀児童図書賞 殊勲賞受賞。イギリスの支配下にあった19世紀後半アイルランド。本が好きで、不器用なサリーは、それなりに楽しく暮らしていたが、突然の父の死と共に暮らしが変わる。地代の現金を得るために、妹と共に賃雇い(一定期間住み込みで働き、賃金を払ってもらう)に出る。3人の子どもがいて、今もお腹が大きいスチュアート夫人は、きまぐれだが、サリーは、徐々に新しい暮らしに慣れ、子どもたちとも仲良くなる。一方、しっかりものだった妹のケイティは、家を離れて子どもっぽくなってしまう。ちょっと都合いい展開じゃない?と説得力に欠けるが、時代の雰囲気などはおもしろい。ラストが「これで終わり?」と思ったら続編があるとの事。今後に期待。