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むこうがわのあのこ

 

 

むこうがわのあのこ

むこうがわのあのこ

  • 作者: ジャクリーンウッドソン,E.B.ルイス,Jacqueline Woodson,E.B. Lewis,さくまゆみこ
  • 出版社/メーカー: 光村教育図書
  • 発売日: 2010/12
  • メディア: 大型本
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黒人のクローバーと、白人のアニーは、柵を挟んで住んでいる場所が違う。お母さんはクローバーに、柵の向こうに入ってはいけないというし、街でアニーを見かけても、あんまり見ないように注意をうける。
しかし、アニーの笑顔の挨拶にうちとけたクローバーは、柵の上に登っておしゃべりを始める。柵の上に行ってはいけないと、お母さんから止められていないから、心置きなくおしゃべりができるのだった。やがて、他の子供達も柵の上に登り、おしゃべりに加わり始めていく。
時代設定も、国も説明されていないため、アメリカ南部?にしては、クローバーの家は、一般的な家庭のようだし、北部の方かもしくは自由黒人の部類なのかな…?とかいろいろ考えてしまった。南アフリカだったら塀を登った時点で撃たれていそうだし、そこまでの頻拍した感じもしない。まぁ、そこまで背景なんぞ深読みせずに、差別について考えてみてという感じだろうか。確かに、本のなかには思想を押し付けてくる強さがないため、読み手が考える余白があっていいかもしれない。