- 作者: 村中李衣,藤原ヒロコ
- 出版社/メーカー: 玉川大学出版部
- 発売日: 2012/06/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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小学5年生の佳奈は、親友のあやかが、クラスの男子にからかわれてから不登校になってしまい、クラス全員で手紙を書くということに決まったことが、なんだかモヤモヤして違うのではないか?と思った。しかし、だからと言って代案があるわけでもなく、せっかく決まったことを蒸し返す勇気もなく困っていたところ、カナダ人のサミュエルのお悩み相談所を見つけ、悩みを打ち明ける。サミュエルは、自分も同じようなことがあった話を佳奈にすると、佳奈のへんだと思っていることを手紙にして、クラスに出してみてはどうかと提案する。
メールなどがあるいま、なぜ手紙なのかと思われるかもしれないが、やはり手紙にはその人の気持ちが宿りやすく温度が伝わりやすい。サミュエルは、手紙を書き慣れていない佳奈を通して、読みての私たちに、相手の心に訴えかける書き方、アプローチのしかた、またやってはダメなことなどを指摘してくる。あまりに巧みすぎて、ここまで小器用過ぎるとあざとくないか⁇と思ってしまうが、相手の気持ちを尖らせずに、向かわせたいほうに向かわせていくテクニックは、手紙だけでなくメールでも通用する。顔の見えない相手に対する配慮、想像力について書いてあり、ちょっと勉強になった。