著者は、長年にわたって、ウェスト・ロンドンにある、英国
自閉症協会のシビル・
エルガー学校で、アートセラピストとして教えてきている。
この本の興味深い点は、
自閉症の家族を持つ兄妹に視点を合わせており、なるほど…兄妹なりが
自閉症を患っていると、親はそちらに手がかかり、ほったらかしにされてるという孤独感が家族には生まれ、それに対してのケアの本というのは珍しいと思った。家族としてできること、困惑している気持ちの共感などが章立てで書かれ、周囲の人に恥ずかしいと思ってしまう後ろめたさなんかを取り除いてくれるのは、さすがである。
学校、セラピーに関しては、やはり海外の書籍ゆえに、あまりに進み過ぎてピンとこないことが多かったが、とても読みやすかった。