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影の王

 

影の王

影の王

 

 孤児のナットは、グローブ座で少年劇団が演じた過去の再演上演のメンバーとして選ばれ、イギリスに向かった。だが、そこで時を越え、過去の同名の男の子と入れ替わりシェイクスピア時代のグローブ座に紛れ込んでしまう。同じパックの役を演じながら、ナットはシェイクスピアに強く惹かれる。シェイクスピアもまた、ナットが秘めていた父の自殺という心の傷に気づいて彼を励ましてくれた。一方現代にやってきた過去のナットはペストに犯されていた。タイムスリップはなぜ起こったのか? エリザベス朝の雰囲気もなかなか出して読ませるが、「時間だよ、アンドルー」とそっくりな設定! 一瞬既視感を感じた。読みやすいが、時代背景の理解が必要。