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消えたヴァイオリン

 

消えたヴァイオリン (SUPER!YA)

消えたヴァイオリン (SUPER!YA)

 

 18世紀ウィーン。テレジアはハイドンの下でヴァイオリンを弾いている父の元で、幸せに生きていた音楽好きの少女。だが、父は突然殺され、ヴァイオリンも行方不明となった。強盗の仕業というが、楽団員のゾルターンは、なにか知っている。臨月の母と幼い弟を守り、真相を突き止めたい。テレジアは、生活の術を考えながら捜査を開始する。背景にはハンガリーとロマの開放をめぐるドラマが潜んでいた。歴史が舞台なわりにはメロドラマ風。たぶん、主人公の価値観が現代の少女に近いせいではないかと思う。親しみやすく、気楽に読めるが、その分底が浅い。ちょっとハーレクイーンを連想。