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シャングリラをあとにして

 

シャングリラをあとにして

シャングリラをあとにして

 

 突然あらわれたおじいちゃんは、事故でそれまで住んでいた場所の記憶を無くしてしまった。同居することになった11歳の女の子セシーは、すぐおじいちゃんが大好きになるが、子どもの頃、離婚のため分かれたきりのパパは、冷たい目で見る。体が弱り、老人施設シャングリラに入ることになったおじいちゃんだが、模型の船をきっかけに記憶を取り戻す。そしてシャングリラの仲間を連れて、戦時中自分をかくまってくれた少女を探す船旅に出るが・・・。 それぞれの設定や、パパのおじいちゃんへの屈折した思いなどよく書けてるが、物語の流れとしては言葉が足りない。おじいちゃんの失われた記憶と、戦争中の想い出と欲張りすぎて落ち着きが悪く残念。