フィンランドの児童文学者によるサンタクロースの起源譚。父母と妹を事故で亡くしたニコラが村でひきとられ、一年ごとにいろいろな家で暮らす。その後、木工の親方イーサッキに弟子入り。感謝の思いで、村中の子供にプレゼントを作る。いじわると思っていた親方が、実は、自分の子どもを亡くした悲しみから、子どもを避けていたことを知る。親方が残してくれた大金でプレゼントを作り続けるが、その死後はその思いを親たちがひきつぐ、という物語。創作サンタ起源だが、物語の起点がそのせいか、ご都合主義の感が残る。訳文もこなれているとはいいがたい。