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旅するヤギはバラードを歌う

 

旅するヤギはバラードを歌う (ハリネズミの本箱)

旅するヤギはバラードを歌う (ハリネズミの本箱)

 

 ヤギのコルスピックは、生まれながらのミュージシャン。バンジョーの腕は大したものだ。だが、親友のビックと組んで演奏することに夢中で、ちゃんとした家庭や仕事とは無縁で過ごしてしまった。そんなコルビックに気になる女の子ができた。なのに、彼女はビックと相思相愛。失恋に耐えられないコルスビックは、ヤギの村を出るが、途中偶然ヤマネの子ピエを救う。ピエの一族は、“かぎ爪をもったやつ”ことテンに食われ、ピエは最後の生き残りだ。ピエを繁殖させてヤマネを食おうとするテンから逃げ続けるが、ついにピエがさらわれてしまう。おんどりのアドルフィーノの助けをかり、ヤツラの本拠地に乗り込んでいく。フランスの児童文学とのことで、どこかオシャレで大人の感じが漂っている。ウィットに富んだやり取りが面白いが、ヤングアダルトな感じが、日本の中学生などにどうとらえられるだろうかと思う。