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文学少年と運命の書

 

文学少年と運命の書 (TEENS' ENTERTAINMENT)

文学少年と運命の書 (TEENS' ENTERTAINMENT)

 

 明らかに中国古典オタクを感じさせる著者の作品。三国志や特に西遊記が好きな子にはオススメ。泰山から人間の運命が書かれた図書「玉策」を盗み出そうとした義賊の一団がいた。大恩ある親分の寿命が延びるよう書き換えようとしたのだ。だが、書は崖から落ちて消えてしまう。そんなころ、本好きな少年呉承恩は、一人の女の子玉策を救う。その子はなぜか書しか食べない。女の子のために、書を筆写してやり(高くて買えない!)はては、自分で作った物語を食べさせてやるようになる呉少年だが、女の子は、物語がおもしろいとおいしいという。そして、書を見れば、書き手の過去を見ることができた。その力を利用し、失せものさがしの占い師となる。だが、女の子こそ、あの書物だった。彼女を捕まえようと皇帝から派遣された劉璧と美少女のような外見で性別不明な白華。そして義賊の常坤たち。その中で玉策は、男の子の父を救おうとして未来を変え、片目を失う。玉策を守ろうとしてご少年だが、ついに彼女は皇帝側の手に落ちた。そして、呉少年たちをすくうために、玉策は、未来を変える。呉承恩といえば、西遊記の作者だが、彼が後年物語を多く書いたことしか書いてない。わかった方が面白いと思うが、書いてなくても気が付くことをねらった!?