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子どもの王様

 

子どもの王様 (ミステリーランド)

子どもの王様 (ミステリーランド)

 

 ショウタの友達のトモヤは時々変なことを言うけど二人は仲良しだ。ある時、トモヤは、子どもを捕まえ、殴る蹴るで言うことを聞かせる恐ろしい“子どもの王様”のことを話し出した。そしてトモヤが言ったとおりの男が実際に現れてしまう。ショウタはトモヤを守ろうと知恵を振り絞り、ペンキを使ったトリックを仕掛ける。やられるのは嫌だけど、他人が苦しがるのはおもしろい罰ゲーム。戦う正義のヒーローへのあこがれなど作者が子ども時代の感覚を覚えていて書いている感じが共感が持てる。母子家庭の母親との関係も悪くない。子どもの王様を殺してしまった後の感覚はこんなもですむのか?という気もするが、トリックも良くできていて、娯楽作品としては十分。