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都会のトム&ソーヤ10 前夜祭創也side

 

都会のトム&ソーヤ(10) ≪前夜祭(EVE) <創也side>≫ (YA! ENTERTAINMENT)

都会のトム&ソーヤ(10) ≪前夜祭(EVE) <創也side>≫ (YA! ENTERTAINMENT)

 

 概要

第9巻のいわば解決編。創也のコンビニでの職業体験のエピソードを軸に、前巻でちょくちょく出てきたミステリーに解決が与えられる。職業体験といっても,コンビニをも傘下に置く竜王グループの御曹司である創也のそれは、将来の総帥にふさわしいかどうかの試験でもあるという設定で、無理矢理テレビ局も巻き込んだサバイバルゲームを実施することになり、内人君のサバイバル能力が試される。

感想

作者も後書きで書いているように、こういう、割合読者サービスの旺盛な(つまり、話がどっちにころぶかわからない)作品で、伏線を先に出版しておいて、後から解決編を書くというのはなかなか技術的には難しいことなのだろうと思う。種明かしは、ちょっとそれ無理があるんじゃない~というものも結構あるのだが、まあ、もともとミステリーだと思って読んでいるわけではないからいいとしよう。

それにしても、最近はうちの娘もパスワードシリーズとかはまって、どうして子どもたちはこんなにミステリーが好きなのでしょうか。

創也の「ヘンな人ぶり」は巻を追うごとにひどくなっていくような気がするのは私だけか。「能力はあるがヘンな人」というホームズ以来の一つの定石だが、最近では、日常生活にも支障がでるように(エプロンを自分では着用できない、とか)なりつつあるのでは?

そのかわり、名探偵ぶりとか、傘ゴルフの采配ぶりとか、能力も存分に発揮しているようですがね。