お酒と賭け事で失敗ばかりしている父ちゃん。やさしいけれども体が弱い母ちゃん。英二は、新聞配達で家計を助け、家事をこなして通学するけなげな中学２年生だ。そんな英二を七生は吹奏楽部にスカウトする。七生は勉強はトップクラス。プロと一緒の演奏活動経験もある音楽の天才だ！ だが、級友から孤立し、みんなから一目置かれつつも恐れられている。正反対の性格なのに引き合う二人。そして、炸裂するドラムに花火を見た英二は、ドラムにとりつかれていく。だが母ちゃんが倒れ、七生はスカウトされて東京に行き、父ちゃんはまたしてもお金を賭け事で使い果たす。 テンポのよい大阪弁の語りで一気に読ませるが、いまどきの中学生としては英二も大人すぎ？だいたい中学生を新聞配達に雇用できるの？ 英二のボケがボケすぎ、といろいろつっこみたくなる。しかだが、読ませる勢いと、英二や七生の懸命さが実際の中学生にきちんとアピールするだろう。
