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あした あさって しあさって  2015小学校低学年課題図書

 

あした あさって しあさって (おはなしだいすき)

あした あさって しあさって (おはなしだいすき)

 

 仕事で遠くへ行っているお父さんがしあさってに帰ってくるときいたくまのこ。「しあさって」ということばをはじめて知り、自分でも使ってみる。次の日には「あさって」になったことを喜び、おとうさんといっしょのきつねの子をみることでお父さんへの期待を高める。そして、当日。お父さんののための花を摘んでいると、そこへ帰ってきたのはお父さん! と、感想文は書きやすそう。だが「もうすぐ おとうさんが おかえりですよ」と、小さい子に向かって言うかなぁ~と、全体になんとなく作り物的な感じを持ってしまう。「しあさって」ということばの面白さをつかって、うまくまとめているが、高度成長期の郊外の一戸建てで専業主婦のお母さんがいるイメージの家族像で、実際の単身赴任中のお父さんがいる子の気持ちは、どうだろう? これが正解だよねといわれてるようだけど、もっといろいろ(不安、恥ずかしさ、いらだち)ありそうな気もする。むしろ、そういう感想文を書いてみたらいかが?