- 作者: マーガレット・マーヒー,Margaret Mahy,山田順子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/11/19
- メディア: 単行本
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優等生のローランドは、ある日ふと万引きをしてしまった。なぜかそれに気付いた教師は、秘密を守るかわりに、クラスのさえない女の子ジェスの身辺をさぐれと取引を持ちかけてきた。だが、いつも孤立するジェスは取り付く隙をみせない。家を探り当てるが、その家もまた影が蠢き、非現実的な空間だった。父に置き去りにされた母への愛。恋人クリスとの破綻。そして、幼い頃から繰り返し見る悪夢が、現実となって立ち上がってきた。さすがに構成がきっちりできているが「足音がやってくる」に似たイメージなど、過去の作品のバリエーション的な要素を感じる。両親を封じ、家を自分のものにするが、その家に囚われてしまうジェスなど、いろいろと解釈できる要素はあるが、マーヒーの世界は、とりあえずそのまま飲み込むことが必要。