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ブルックフィールドの小さな家 (クワイナー一家の物語1)

 

ブルックフィールドの小さな家―クワイナー一家の物語〈1〉 (世界傑作童話シリーズ)

ブルックフィールドの小さな家―クワイナー一家の物語〈1〉 (世界傑作童話シリーズ)

 

大草原の小さな家シリーズ』のローラのお母さん、キャロラインの物語。キャロラインは5歳。一年前にお父さんが亡くなり、お母さんと最年長でも12歳の兄さん二人が畑仕事をしている。キャロラインだって、お姉さんと一緒に家事を手伝うし、おばあちゃんが一緒に暮らしてあかちゃんの世話をしていてくれる。早い霜に収穫を奪われ、貧しさに苦しみながらも、施しを拒む誇り高さを持ち、力を合わせて生きている。服や靴が買えない辛さは切々たるものがあるが、お母さんは懸命に家族を守り、子どもたちへの愛を注いでいる。その愛の中で、ささやかなものに豊かに喜ぶキャロラインの姿に、後のローラにつながっていくアメリカ開拓者の伝統を感じる。