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ケストレルの戦争 ウェストマーク戦記2

 

ケストレルの戦争 (ウェストマーク戦記 2)

ケストレルの戦争 (ウェストマーク戦記 2)

 

 父王の死去によって新女王アウグスタが即位。だが、不満を募らせる大貴族たちは、隣国レギア王国と手を結び、ウエストマーク攻略を画策。軍隊上部の寝返りの中、フロリアンと手を組み、女王は自ら戦闘を指揮する。テオも、ジャスティンと共に戦場へ向かうが、友人ストックの死をきっかけに、凶暴なケストレル大佐と化し、戦場の狂気に取り付かれた。戦線は膠着。女王ことミックルは、単身レギア王との講和を結ぶため、レギア兵に変装して隣国をめざす。それと気づかずミックルに発砲するテオ。若きレギア王とミックルは、共に負傷して戦場で出合い講話は結ばれる。ただ軍服だけを見て殺す行為をミックルへの発砲で気づくテオ。だが、同時に民衆からケストレル大佐の勇猛さが賞賛される矛盾。行政の難しさの混迷。甘い部分もあるが、迷いを描けるのは、やっぱりアリグザンダー。