
- 作者: きしだえりこ,なかたにちよこ,ドーデー,Alphonse Daudet
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1966/12/13
- メディア: 単行本
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この本を読んで衝撃だったという子が、二つ質問を出してきました。
「あなただったら山へ行くか」
「ラストシーンは山羊はどうなったと思うか」
私の答えは、
「山へは行きたいと思う」「でも、実際に行けるかどうか。妻子もあって住宅ローンもあったりすると、そう簡単には行けないのかも。でも、行きたいことは確か。」
「山羊は死んだと思う」彼女が帰ってからまたよく考えてみた。「山羊は死んだと思うけれど、きっと他の誰かが山羊の遺志を継いでくれただろう。つまり、個体としては死んだかも知れないけれど、心は死ななかった」
こう考えるのは、やはりこの話は「パリ・コミューン」が下敷きだったのだろうと想像するからです。ドーデはまさにパリ・コミューンの同時代人。
労働者たちは、コミューンが敗北するだろうと言うことは分かっていたけれど、やはり立ち上がらないわけにはいかなかった。そして、パリ・コミューンは世にもまれな悲惨な最期を遂げたのだった。
労働者は山羊、資本家はオオカミ。
まあ、こんなことは単なるこじつけに過ぎませんが、しかし、色々論争的な物語であることは確かです。