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影なき者の歌

 

影なき者の歌

影なき者の歌

 

 

 

影なき者の歌

影なき者の歌

 

 パン屋の娘カイルは、ゴブリンにもらった骨の笛を吹いた途端、なぜか影を失ってしまう。影なき死者として、家から追い出されたカイルは、独立した自分の影をジェイドと名付け、ともに影を元に戻すにはどうすればよいか、探し始める。洪水の予兆の中で、橋がバラバラにならないように音でつなぎとめる楽師たち。かつて、おじいちゃんもその一人だった。カイルは、その一人となりたいと願うが、影が離れていたため失敗してしまう。だが、水が押し寄せてきたとき、カイルは橋を守るために音を探そうとするのだ。『仮面の街』の姉妹編ともいえる作品。パン屋を切り盛りする気丈な母親、個性あふれる楽師たちなど、程よくまとめてあるが、やはりスルスル読めるが、何かが足りない。