児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

まだなにかある下

さらに ネタばれしてますから、未読の方は注意してね。

まだなにかある(下)

まだなにかある(下)

 

 かつて弟を攫い“変えて”しまった犯人の名前がなぜか思い出せないセス。新たにであった2人の言葉を確かめるべく、棺桶(=スリープブース)があるという刑務所に潜入する。だが、そこは〈ドライバー〉が管理していた。バイクに乗り、倒しても倒しても起き上ってくるこの姿、「ターミネーター」か!? そして、ついに運命の日に何があったかを思い出す。徐々に真相が明らかになる緊迫感は魅力だが、同時に、説得力が弱い。マトリックス世界だとしたら、だれが、なぜそうするわけ? ドライバーは管理人なら、倒したら、今後、電脳世界にいる人たちを誰が守るの~ と、つっこみどころがいろいろと出てくる。でも、マトリックス+ターミネーターの世界を、何がリアルか?と含みを持たせて進めたのは大健闘でしょう。