児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ベルおばさんが消えた朝

 

ベルおばさんが消えた朝

ベルおばさんが消えた朝

 

 ベルおばさんは、ある朝突然消えてしまった。そして、ベルおばさんの息子でいとこのウッドローが家にやってきた。町一番の美人と呼ばれたかあさん。その娘のジプシーも長い金髪が美しい女の子だけど、みんなが外見しか見てくれないのが不満だ。あせっぽっちで斜視だけど、機転がきくウッドローは、すぐにみんなに好かれ、ジプシーとも大の仲良しになる。だが、母さんは、かつて妹ベルの恋人だった父さんと出会った瞬間に恋に落ち、絶望したベルは、酒場で最初に出会った男と駆け落ちし、生まれたのがウッドローだったということを知る。そしてジプシーは義理の父への反感も抱えている。だが、ジプシーの抑えていた記憶の中から、消防士だった父が、自分の顔の火傷に耐えられず自殺した過去がよみがえる。どんなところにも不幸があることに気付いたウッドローは、母さんは、自分の服と秘密の貯金を持って消えたという秘密を打ち明けた。 長い髪を切り、新しい一歩を歩みだそうとするジプシー。ベルおばさん消失の謎で惹きつけながら、二人の成長をよく描いている。