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スカイラー通り19番地

 

スカイラー通り19番地 (カニグズバーグ作品集)

スカイラー通り19番地 (カニグズバーグ作品集)

 

 サマーキャンプでハブといじめにあったローズは、大叔父さんに救出された。だが、大叔父さんが、そもそもローズをあずからなかった原因が、ローズを奮起させる。 二人の大叔父は、45年をかけて美しい塔を廃材でコツコツ作ってきた。だが、近所の弁護士が、地区の価格をあげるため、危険で不細工な塔の取り壊しを市に申請したのだ。ローズは、キャンプで見つけた唯一の味方ジェイクと昔のご近所の手を借り、塔を守るために立ち上がる。キャンプ内のいやがらせ、しかし、ジェイクによってその子たちがつぐないをするよう命令され、ある意味彼女たちがホッとするところなどカニグズバーグらしい断片が光る。「わたしたち」と「わたし」へのこだわり、両親の離婚を知る瞬間などローズの内面描写がたくみ。