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においのカゴ

 

においのカゴ

においのカゴ

 

 1950年代に発表した短編集。まだ貧しい時代を背景に、中学1年で、手間賃かせぎをして遠足代を稼ぐが、苦しい家計に使われてしまう切なさ、など、今では考えられない物語だろう。おんぼろなバスを大切に思うさんちゃん、見えないおともだちと仲良くなる女の子が、そのおともだちとどのように別れていくかなど、今の子どもには理解が難しいと思われるが、それでも捨てがたい魅力がある。