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アサギをよぶ声

 

アサギをよぶ声

アサギをよぶ声

 

 村はずれに母と二人で住むアサギ。村は、共同で働き、狩りをし、住む人数で割り当てが与えられる。戦士がいれば割り当ては増え、貧しいアサギの母の口癖は「お前が男だったら」「お父さんは戦士だった」。だが、だれもアサギの父のことは話してくれない。母の愚痴に耐えきれずに外に出たアサギは、村一番の戦士ハヤに会う。ハヤに向かって思わず「女は戦士になれないの?」ときいたアサギに対し、ハヤは、密かに戦士を選ぶ競技のための弓の訓練を始めてくれた。だが、そのやり方は突き放したもので、アサギは自分の機転で材料の調達までしなければならなかった。偶然助けたサルの助け、思いがけないイブキの友情、そしてどこからか聞こえてくる”声”。ついに弓の大会で優勝するも、女に戦士は無理だ「女屋へいけ」と突き放される。絶望するアサギにハヤは強く優しかったが、あやまった決断で村を危機にさらしたアサギの父の物語を語り、アサギは自分が新しい道を手に入れていることを知る。 全体になかなかおもしろい。縄文時代のような設定だが、よくわからないのがアサギと母の日常。もうすぐ12歳ならアサギもかなりの労働をしていると思われる。また、戦士になれなくても、狩猟には加われるのでは?などなど、上橋さんチックだけど生活のリアリティのなさが、ホント残念。