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お姫さまとゴブリンの物語

 

お姫さまとゴブリンの物語 (岩波少年文庫 (108))

お姫さまとゴブリンの物語 (岩波少年文庫 (108))

 

 アイリーンはまだ8歳ですが、本物のお姫さまでした。王国の地下には恐ろしいゴブリンがいてひそかに地上の国を狙っています。偶然それを知った鉱夫のカーディ。お城の塔の上から見守ってくれるひいひいおばあさまだという不思議な美しい女の人の力を借り、お姫さまはカーディを助け、ゴブリンのたくらみをあばくために力をあわせます。黄金の髪と、星を散りばめたような青い瞳、素直で嫌みのない率直な優しさを持つお姫さまと、勇敢なカーディ。一握りの人しか姿をみることができないおばあさまのイメージは『北風のうしろの国』の北風のイメージと重なる。神秘的な美しさが不思議な印象を残す。