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ニルスのふしぎな旅下

 

ニルスのふしぎな旅〈下〉 (福音館古典童話シリーズ 40)

ニルスのふしぎな旅〈下〉 (福音館古典童話シリーズ 40)

 

 ニルスの空の旅と呼応するように、父を尋ねて旅をする姉弟。次々続く子どもの死に耐えられなくなって失踪した弱い父と、幼いながらも(10歳前後?)自分で稼ぎ、家族が死んだ原因が、呪いではなく、結核であることを理解し、父に伝えようとする姉弟は対照的。ついに姉が弟を喪いながらも父と再会する。この再会を前兆とするように、ニルスの大円団へとなだれ込む。壮大な土地の伝説が語られ、作者を思わせる人のニルスとの出会いもドキドキ。地理を学ぶために、土地の伝説というのは、とても有効なのではないかと思いました。いわゆる「いい子」というのではなく、プライドを持って正しいことをなそうとする少年にニルスが成長して満足。